出汁やかけるだけじゃない、削り節の魅力とは?

つくり手さん、こんにちは。vol.2

つくり手さん、こんにちは。vol.2

ものが世の中に溢れる現在。
ひときわこだわりを持たれている、つくり手さんがいます。つくり手さんを知ることで、“モノ”に対しても今までとは違う見方や感情が生まれるかもしれません。
「こんにちは」と気軽に挨拶を交わすように、普段なかなか会えないモノ作りに関わる方をご紹介する【つくり手さん、こんにちは。】第2回目の今回は、削り節を専門に製造・販売する鰹工房さん(静岡)です。清水市の魚市場には店舗も構えています。
代表の石原裕次郎さんは、先代から引き継いだ二代目。古き良き削り節の伝統を守りつつ、現代の食生活にあった新しい食べ方や楽しみ方の提案を積極的に行っています。そんな石原さんに削り節の“現在進行形”を聞きました。

継ごうとは思っていなかったけれど…

「鰹工房」で石原さんが働くようになったきっかけを教えてください。

石原さん:
「鰹工房」は私の父の会社だったんです。私は三人兄妹の次男坊で、当初は会社を継ごうとは思っていませんでした。新卒では、電気屋の卸に入社しましたが、激務で、別の仕事を探し始めた時に父が倒れてしまって。営業が足りないというので10年ほど前に「鰹工房」に入社したんです。当時、業界では珍しい若手なのが幸運だったのか、何ひとつ削り節の知識ないところから取引先や他社メーカーさんにイチから教えてもらえました。代表になったのは、7年前からです。

0.1ミリ単位で変わる「削り節」の味わい

鰹工房さんでは、どんな商品を取り扱っていますか。

石原さん:
鹿児島県枕崎産の希少な「本枯れ節」「血合い抜き」の鰹節を中心に扱っています。店舗で販売している商品は約60種類ほど、地元の料亭や飲食店に卸す分も含めると取り扱い数はもっと増えますね。削り部分の加工は、うちでやっています。鰹節は削り方で味わいや用途が変わるので、取引先の目的や要望にあわせて、フルオーダーメイドで対応します。削る時に出る鰹節の「粉」だけとか、刃物の角度を変え削る厚さも、時によっては0.1mm単位で調節するんですよ。

「ソフト削り」と「厚削り」その違いとは?

そんなに細かく削り方を調節するなんて、知らなかったです。

石原さん:
代表的な削りのタイプで言えば「ソフト削り」と「厚削り」があり、それぞれ次のような違いがあります。

■ソフト削り…食感が柔らかく、色々な素材と絡みやすい削り節です。一般的な花かつおのサイズよりも小さく削ってあるのが特徴です。ご飯や豆腐、納豆などにそのままたっぷりトッピングするだけで一品完成しますし、見た目も豪華になりおすすめです。花かつおに比べて出汁の抽出時間も短く使い勝手の良い削り節です。

■厚削り…独自の製法で食べられるほど柔らかくした節を、低温で0.5mmの厚さに削っています。香りの良さも特徴。短時間で濃い出汁が取れるので、煮物などに使われることが多いです。実は、すき焼きの割り下なんかにも合うのがこの厚削りタイプ。「割り下を自宅で手作り」というのも贅沢で、いつもとは違った味を楽しめると思います。

そのまま食べる“カツオジャーキー”

削り節の使い方を知ると料理の幅がものすごく広がりますね。最近は、新しい鰹節の食べ方を積極的に提案していると聞きました。

石原さん:
最近の売れ筋にもなっているのが“ビーフジャーキー”ならぬ“カツオジャーキー”です。トッピングしたり出汁をとったりするのではなく、そのまま食べられる鰹節です。

「焙乾(ばいかん)」と言う、薪の煙で燻して乾かす、燻製に似た工程を経た鰹節を独自製法でそのまま食べられるようにしたのが「カツオジャーキー」です。塩・化学添加物は一切入っていないのに濃い旨味で本当に美味しいですよ。おつまみやお子様のおやつにもぴったり。百貨店や高級スーパーでも人気の商品です。

※よみマルシェでも今秋発売予定です。ご期待ください!

削り節を最高の状態で味わうための工夫

手軽さがいいですね!最後に削り節をおいしく食べるコツを教えてください。

石原さん:
実は、削り節は忙しい方の味方。豆腐に削り節をかけるだけで、飲み屋さんの一品料理みたいになるし、スーパーで買ってきたおひたしやお惣菜に和えると、“お家”の一品に早変わりする。そんな風に肩ひじ張らずご飯のお供に活用してもらいたいです。
もうひとつ付け加えるなら、削り節が一番美味しいのはとにかく削りたて。時々、目の前で鰹節を削って食べていただく催しを行うことがあるのですが、子どもが美味しいと、目を輝かせるんです。お母さんにも「これ買って」とせがむぐらい、それくらい美味しいんです、削りたての鰹節って。その意味では、自宅に「削り器」を持って削りたてを楽しむのが、最高に贅沢で美味しい楽しみ方です。機会があれば、ぜひ、削りたての美味しさも味わってもらいたいですね。

調味料やふりかけ変わりに重宝するだけでなく、ひと手間かけた出汁で料理をおいしくする削り節。厚削りでとった出汁を割り下にする方法も目から鱗で、なるほど、そんな料理にも使えるのか!と勉強になりました。これをきっかけに削り節の奥深き世界に出かけられそうです。

 

ご紹介した、つくり手さん

鰹工房さん

 

鰹工房のコンセプトとして、「ダシは濃くよく取れ、食べても美味しい」商品作りをしております。
美味しい商品をお届けする為に、原料にこだわり、研究を重ね続けています。

 

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