菊芋のおいしい食べ方や菊芋がもたらす効果とは?気になる保存方法や注意点をご紹介

菊芋のおいしい食べ方や菊芋がもたらす効果とは?気になる保存方法や注意点をご紹介

寒さが厳しくなってくる11月ごろから、スーパーに「菊芋」が並び始めます。
しかし、菊芋がどんな野菜なのか、どうやって食べるのか、どんな効果があるのか知っている方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、菊芋の持つ成分効果やおいしい食べ方、保存方法、食べる際の注意点をご紹介します。
この記事を読んだあとに菊芋を見かけたらぜひ、一度食べてみてください。
 

菊芋とは?


 
菊芋とはどんな野菜なのか、菊芋の由来や旬、おいしい菊芋の見分け方などを紹介していきます。
菊芋を購入する際には、ぜひ参考にしてください。
 

菊芋とは

菊芋とは、北アメリカ原産の多年生植物です。日本には江戸時代末期に家畜用の餌として輸入されていました。
人が食べるように輸入され始めたのは、第二次世界大戦中と言われています。
菊芋は花が菊に似た黄色い花であり、根っこの部分がまるで芋のように膨らむことから、菊芋と名づけられました。
食用になるのは、根っこの部分です。
菊芋には主に3つの種類があります。
 

●白菊芋

●赤菊芋

●紫菊芋(フランス由来)

 
日本で栽培されているのは、ほとんどが白菊芋でわずかに紫菊芋が作られている状態です。
赤菊芋は小粒であり収穫が難しいため、栽培している農家はほとんどありません。
菊芋の収穫時期は根が大きく膨らむ11月〜3月ごろで、旬は収穫のピークでもある11月〜12月です。
 

おいしい菊芋を見分ける方法

スーパーなどで購入する際に、おいしい菊芋を見分ける方法を紹介します。
注目してほしいポイントは主に3つです。
 

●丸みがあり太く大きい

●硬く引き締まっている

●傷がついていない

 
菊芋の大きさですが、できれば大きいもので5cm以上の物が理想です。
また、栄養をしっかりと蓄えたものは丸くなるのでそういった点も踏まえて選びましょう。
 

菊芋を食べる際の注意点

菊芋には特に毒性などはありません。
しかし、菊芋はキク科の
野菜に該当するので、キク科アレルギーを持っている方は避けるようにしてください。
菊芋以外のキク科の野菜は以下の通りです。
 

●春菊

●ごぼう

●ふき

●レタス など

 
これらの野菜で、かゆくなったり気分が悪くなったりするなどの症状が出る方は、菊芋も要注意です。
また、菊芋に含まれるイヌリンは摂取し過ぎるとお腹が緩くなったり胃腸にガスがたまりやすくなったりします。
症状の有無や摂取量に関しては個人差がありますが、イヌリンの含有量から1日の適正量は20g〜30g程度に収めましょう。
 

菊芋の持つ栄養成分と健康効果とは?


 
菊芋には、イヌリン・カリウム・ミネラル・タンパク質が含まれています。
これらが不足すると生活習慣病のリスクを上昇させたり、免疫力の低下を招いたりする可能性があるため、健康には不可欠な栄養素です。
これらの成分が招く健康効果と成分を詳しく見ていきましょう。
 

腸内環境の改善・新陳代謝の促進

菊芋には水溶性食物繊維のイヌリンが多く含まれており、腸で水分を吸収しゲル状になって腸をきれいにしてくれます。
そのため、腸内環境の改善が期待できます。
腸内環境が整えば、期待できる効果は主に以下の4つです。
 

●肌質の向上

●便秘の改善

●免疫力のアップ

●幸せホルモンの分泌による幸福感の増加

●新陳代謝の促進

 
効果をより実感したい場合は、一度にたくさんの菊芋を食べるのではなく、毎日小量ずつ食べるのがおすすめです。
 

血圧の上昇を抑制する

菊芋にはカリウムも多く含まれています。
カリウムには利尿作用があり、むくみの解消や血圧上昇を抑制してくれます。
血圧の高さに悩んでいる方や、味の濃い食事が好みの方は菊芋を食べると血圧の上昇を抑制できるかもしれません。
 

血糖値の急上昇を防ぐ

菊芋に含まれるイヌリンは、天然のインスリンと言われています。
インスリンは糖の吸収を抑える働きを持つホルモンです。
また、菊芋にはミネラルも豊富に含まれています。
糖尿病の原因の一つがミネラル不足です。イヌリンとミネラルが豊富な菊芋は、血糖値の急上昇を防ぎ糖尿病の予防にも繋がります。

 

長く菊芋を楽しむための3つの保存方法


 
菊芋の豊富な栄養をできるだけ効率よく摂取するためには、毎日少しずつ続ける方がよいです。
そのため、長く菊芋を楽しめるように、正しい3つの保存方法を紹介していきます。
 

土がついた状態で冷蔵または常温保存

土を洗い流してしまうと味が落ちてしまうので注意してください。
土がついた状態で菊芋を1つずつ新聞紙に包んで保存しましょう。
菊芋は気温が20度を超えると発芽し、気温が5度を下回ると低温障害を起こしてしまいます。
気温を加味して冷蔵と常温を使い分けてください。冬であれば常温の暗く風通しのよい場所が最適です。
保存期間は1週間程度になります。
 

皮をむいて冷凍保存

夏を超えて保存したいなど、長期的な保存をしたいのであれば、皮をむいて冷凍保存にしましょう。
解凍後に使いやすいよう皮をむいて、一口サイズに切っておくと便利です。
フリーザーバッグなどに入れて保存すれば、保存期間は1か月程度になります。
ただ、解凍後は食感が少し変わってしまいます。そのため、生食より煮物などの加熱調理がおすすめです。
 

スライスして乾燥保存

3つ目の保存方法は菊芋の皮をむき、薄くスライスして天日干しで乾燥させる保存方法です。
長期保存はできるものの、食べ方は限られてしまいます。
煮だして菊芋茶にしたり、水で戻して漬物にしたりして食べるとよいでしょう。
パウダーやタブレットなどに加工して販売されている場合もあります。
 

菊芋のおいしい食べ方


 
菊芋は生でも加熱してもおいしく食べられます。
ここでは生食や加熱(炒め・煮物・揚げ)、漬け物の3つに分けて紹介していきます。
 

簡単手軽な菊芋の生食

皮をむいて、細く切りマヨネーズやツナと和えるだけでシャキシャキ食感がおいしいサラダの完成です。
スライスや細切り、サイコロなど切り方を変えるだけでさまざまな食感を楽しむこともできます。
菊芋はオリーブオイルなどの油類との相性もいいので、小鉢の一品に困った際には最適です。
基本的にアク抜きは必要ありませんが、ものによってはえぐみを感じるかもしれません。
その場合は水にさらしてアク抜きを行いましょう。
ただし、菊芋は水につけ過ぎると、栄養素が抜けてしまうので注意してください。
 

食感も変わる菊芋の加熱

菊芋はきんぴらのような炒め物やミネストローネなどの煮込み、とろとろ食感がおいしい唐揚げなどさまざまな調理方法があります。
加熱するとホクホクとした食感を楽しむことができるため、ジャガイモでおいしい食べ方は菊芋でも合う場合が多いです。
菊芋はジャガイモよりあっさりとしているため、特にしっかりとした味付けの料理にぴったりです。
菊芋は火入れを軽くすればシャキシャキ食感が残り、しっかりと加熱すればとろとろ食感が楽しめます。
ただ、菊芋はゆでてしまうと多くの栄養素が抜けてしまいます。ゆでる際には、お味噌汁などのスープ類のように煮込んだ汁も飲み干せるような料理にしましょう。
 

困ったときの1品にできる漬け物

生食できる菊芋は、少し厚めに切り甘酢やみそ、キムチなどさまざまなものに漬け込むとお酒のおつまみからご飯のお供など万能食品になります。
ただし、菊芋に多く含まれるイヌリンは常温の酢につけると分解してしまいます。
酢につける際には、冷蔵庫で冷やした状態でつけておくようにしましょう。
 

菊芋を手軽に生活に取り入れる方法


 
生の菊芋を日ごろの食生活に取り入れるのは少し難しいかもしれません。
そんな方には、菊芋パウダーや菊芋酢、菊芋チップスなどの菊芋を加工したものを取り入れてみましょう。
それぞれの活用方法やメリットを紹介します。
 

菊芋パウダーの活用方法とメリット

菊芋パウダーはお湯などに溶かしてドリンクとして食生活に取り入れたり、料理にティースプーン1杯を使用したりするなど活用方法はかなり多い点がメリットです。
そのため、飽きずに毎日取り入れやすいでしょう。
もし、菊芋の風味などが苦手なのであれば、カレーやハンバーグなどの味が濃い料理に使ってみてください。
そうすると、菊芋の風味を感じにくくなり、菊芋の栄養素を取り入れられます。

 

菊芋酢の活用方法とメリット

菊芋酢は日常的に使っているお酢を菊芋酢に置き換えるだけで、簡単に生活の中に取り入れられる点がメリットです。
菊芋の豊富な栄養素とお酢の栄養やメリットを同時に取り入れることができます。
菊芋酢はほかの穀物酢よりも酸味が柔らかいです。
そのため、穀物酢などでは酸味が強く苦手な方でも楽しめるでしょう。
 

菊芋チップスの活用方法とメリット

菊芋をスライスして乾燥させた菊芋チップスは、小腹がすいたときにおやつ間隔で食べられる手軽さがメリットです。
パリパリと砕いてサラダにトッピングすると食感をプラスでき、お味噌汁の具材としても使えます。
干しシイタケと同じ感覚で、鍋に入れるだけで日々の食事に取り入れられます。
菊芋は野菜やキノコ、豆腐などどんな具材とでも相性がよいです。
しっとりシャキシャキとした食感が楽しめます。
 

さまざまな食べ方ができる菊芋

本記事では、菊芋のおいしい食べ方や保存方法、食べる際の注意点などを紹介しました。
あまり手に取る機会がなかった菊芋かもしれませんが、生食や加熱、漬け物などさまざまな調理方法で楽しめる食材です。
含まれている栄養素も魅力的なものが多いので、この記事をきっかけに購入してはいかがでしょうか?
ただし、キク科アレルギーを持っている方や食べ過ぎには注意してください。

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