菊芋は栄養価が高い?栄養素や効果について徹底解説します!
「菊芋」がどんな野菜か知っていますか?スーパーフードとして取り扱われている面もあり、最近は一般的なスーパーでも菊芋を販売しているところを見かける場合もあります。
しかし、実際に菊芋にはどんな栄養素が含まれており、どのように食べればいいのか知っている方は少ないでしょう。
そこで今回は、菊芋の概要や含まれている栄養素、菊芋を摂取することで期待できる健康効果、より効果的な食べ方などをご紹介します。
菊芋の健康効果に興味がある方必見の内容となっています。
菊芋の概要
まずは菊芋の概要についてご紹介します。
ここでは栽培方法やどんな味なのかなど菊芋についてご紹介するので深く知っていきましょう。
菊芋の概要
菊芋とは、北アメリカ原産のキク科に分類される多年生植物です。
秋冬が主な収穫時期で大きくなった塊根を掘り起こします。
菊「芋」と呼ばれていますが、糖質にはほとんどデンプンが含まれていない食物です。
デンプンではなく、イヌリンと呼ばれる多糖類にて構成されています。
イヌリンは菊芋の主成分であり、菊芋が健康によい、スーパーフードと呼ばれて注目されている理由になります。
カロリー自体も100gあたり35㎉なのでジャガイモの半分程度で低カロリーです。
菊芋の栽培方法とは?
菊芋は病害虫に強く、耐寒性に優れ、繁殖力も強いため比較的栽培しやすい作物です。
菊芋の栽培方法は大きく3つの段階に分かれています。
まずは植え付けです。
菊芋は種芋を4〜5月上旬に植えて育てます。
種芋は1個丸々植えるのではなく、20gほどの大きさに切り分けて土に埋めます。
種芋同士の間隔は60cm以上離すようにしましょう。
次に、開花です。
9〜10月ごろになると菊芋の名前の通り、黄色い菊のような花を咲かせます。
黄色い花が枯れてくると土の中で塊根を作るようになります。
最後にいよいよ収穫です。
株から水分が抜け、茶色くなった10月中旬〜3月下旬頃までが収穫タイミングになります。
菊芋はどんな味?
実際に食べる際に気になるのは、菊芋の味でしょう。
菊芋を生で食べると歯ごたえはレンコンのようにさくさくとしており、ごぼうのような風味とほんのりとした甘みが特徴です。
菊芋はもちろん加熱調理も可能で、ほくほくとした食感で甘みが増します。
甘みはほんのりとしたものであり、あまり味がしないと感じる方もいるようです。
独特な味ではないため、自由な味付けができる野菜です。
冬が旬の菊芋のおいしい食べ方や菊芋がもたらす効果とは?気になる保存方法や注意点をご紹介
菊芋に含まれている栄養素とは?
スーパーフードや健康食品としても扱われている菊芋ですが、実際にはどんな栄養素を含んでいるのでしょうか?
ここからは実際に含まれている豊富な栄養素についてご紹介します。
低糖質
菊芋の特徴の1つが低糖質である点です。
100g中の炭水化物で比べると、菊芋は14.7g程度ですが、じゃがいもは15.9g、さつまいもは33.1g程度含まれています。
低糖質ダイエットなどをしている方であれば、じゃがいもやさつまいもを菊芋に置き換える方法があります。
イヌリン
イヌリンは、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
また、イヌリンは血糖値の上昇を抑える働きなどがあるため、天然のインスリンと呼ばれています。
イヌリンの主な働きとしては、大きく以下の4つです。
●血液中の中性脂肪を下げる
●善玉菌を増加させ腸内環境を整える
●脂肪肝の予防
●動脈硬化の予防
このような働きがあるからこそ、イヌリンはとても注目されています。
ミネラル
菊芋には、骨や歯の生成に関わるミネラル(カルシウム・リン・マグネシウムなど)も含まれています。
ミネラルには骨や歯の生成以外にも、基礎代謝や新陳代謝を促し、体の機能や組織の調整、心身のバランスを正常に保つなどがあります。
ミネラルが不足すると、鬱になりやすくなったり免疫力が落ちたりするため、健康に過ごすためには欠かせない栄養です。
カリウム
カリウムは先ほどご紹介したミネラルの一種です。
取り過ぎたナトリウムの排出や筋肉の収縮に関わっています。
カリウムが不足してしまうと、ナトリウムが排出されず血圧の上昇や筋肉の痙攣が起きる場合があります。
葉酸
葉酸といえば、妊活をしている方や妊娠中の方に多く必要な栄養素だと思っている方もいるでしょう。
妊娠中の方が葉酸不足になってしまうと、子どもに神経管閉鎖障害といった先天性疾患が見られる場合があります。
しかし、葉酸は妊活中の方や妊娠中の方だけが必要な栄養素ではありません。
細胞や赤血球などを形成する際に必要となるDNAなどの合成を助ける役目を持ってます。
銅
銅は赤血球を作るためのサポートを行っている栄養素です。
血液と言えば鉄のイメージがあるかもしれません。
しかし、その鉄をヘモグロビンへ届けるのが銅です。
つまり、貧血対策で鉄をたくさん取っていても、ヘモグロビンまで運んでくれる銅も摂取しなければ十分な貧血対策にはならないでしょう。
不足しないように、1回で大量に摂取するのではなく、少量を毎日少しずつ摂取するようにしましょう。
ビタミンB6
ビタミンB6は、タンパク質で筋肉や血液を作ったり、タンパク質をエネルギーに変えたりする役割があります。
ビタミンB6が不足してしまうと、皮膚炎や貧血、リンパ球減少症などになる可能性があります。
ほかにも成人している方であれば、鬱や脳波異常、痙攣発作などの神経系に異常が起るかもしれません。
菊芋を取り入れて健康な体作りをしよう!
実際に菊芋を日々の生活に取り入れると、どのような健康効果が期待できるのでしょうか?ここでは、主な健康効果を4つに絞ってご紹介します。
糖尿病の予防
糖尿病とは、すい臓の働きが悪いなどで血糖値を調整してくれるはずのインスリンがうまく分泌できず、高血糖(血液中に糖分がたくさん余っている状態)になってしまう病気です。イヌリンは天然のインスリンと呼ばれており、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。
そのため、インスリンと似た働きを持つイヌリンが含まれた菊芋を生活に取り入れると、糖尿病の予防効果が期待できます。
大腸がんの予防
大腸がんは生活習慣の悪さから発症する場合も多く、腸内環境の乱れや脂質過剰摂取は大腸がんのリスクを上げます。
イヌリンは、腸内環境の改善や血液中の脂質を減らしてくれる効果があります。
菊芋を食べ、イヌリンを摂取すると腸内環境を整え、脂質を減少してくれるので大腸がんの予防が期待できます。
アトピーの改善
アトピー性皮膚炎の原因はさまざまですが、腸内環境とは密接な関係があると言われています。
そのため、腸内環境を整えてくれるイヌリンを含む菊芋を食べるとアトピーの改善が期待できます。
しかし、腸内環境以外の原因でアトピーを発症している場合は、効果を発揮しない場合があるので注意してください。
ダイエット効果
菊芋は健康面だけではなくダイエット効果も期待できます。
菊芋のイヌリンや食物繊維などを摂取すると血糖値の上昇を抑え、腸内環境を整えてくれます。
また、ナトリウムの排出を促すカリウムも豊富なため、むくみの予防や改善効果も期待できるでしょう。
菊芋は、じゃがいもなどと比べても低糖質でカロリーも低いため、置き換え食材として日々の食事に取り入れることをおすすめします。
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菊芋を取り入れる際の注意点
スーパーフードや健康食品と呼ばれ、さまざまな栄養素を含んでいるためメリットしかない野菜に思うかもしれません。
しかし、菊芋を食事に取り入れる際には大きく3つの注意点があります。
菊芋を食べ過ぎない
菊芋にはさまざまな良い栄養素が含まれていますが、一度に大量摂取してもよいわけではありません。
たとえば、菊芋に多く含まれるイヌリンには、血糖値を下げたり腸内環境を整えたりする効果があります。
しかし一度にたくさん食べてしまうと、下痢や腹痛、アレルギー症状などが出るかもしれません。
菊芋には生の状態で含まれるイヌリンは100gあたり8g〜17gです。
国立健康・栄養研究所によるとイヌリンの摂取量は一日8g〜14gを8週間までは安全と定めています。
毎日安全に菊芋を摂取したいのであれば、一日生食で20g〜30g程度を目安としましょう。
イヌリンアレルギー・キク科アレルギーを持っている方は食べてはいけない
菊芋はキク科に分類されるため、キク科やイヌリンに対してアレルギーのある方は症状が出る可能性があります。
アレルギー症状は個人差がありますが、喉や口内の痒みだけではなくアナフィラキシーショックを発症するかもしれません。
アレルギーがある方は、菊芋を避けた方がよいでしょう。
セレンの大量摂取に気を付ける
菊芋にはミネラルの一つであるセレンが含まれています。
このセレンを過剰摂取してしまうと中毒症状が出る場合があります。
セレンの一日あたりの摂取目安は10gです。
菊芋を大量に食べなければセレンの大量摂取にはなりません。しかし食べすぎには注意しましょう。
菊芋の効果を逃がさない食べ方とは?
魅力的な効果を多く持っているからこそ、菊芋を食べるならできるだけ効果を逃がさない食べ方をしたいと思います。
そこで、最後に菊芋の栄養素を少しでも逃がさない食べ方について紹介します。
菊芋を食事に取り入れる際にはぜひ参考にしてください。
菊芋の皮を剥かずに食べる
菊芋が持つ栄養素をできるだけ逃さず取り入れたいのであれば、皮を剥かずに食べるのがよいでしょう。
菊芋に含まれるポリフェノールは実ではなく皮により多く含まれています。
ポリフェノールは、抗酸化作用があるだけではなく、菊芋に含まれるほかの栄養素との相乗効果も期待できます。
皮ごと食べる際には、土をしっかりと落としてから調理しましょう。
菊芋を煮た場合は煮汁までのむ
イヌリンは水溶性食物繊維です。
そのため、茹でたり煮たりするとイヌリンが煮汁へ溶け出してしまいます。
茹でたり煮たりする際には、お味噌汁など煮汁ごと頂ける料理にするとよいでしょう。
菊芋を最初に食べる
イヌリンには血糖値の上昇を防ぐ効果があり、より血糖値の上昇を防ぎたいのであれば、食事途中ではなく最初に食べるようにしましょう。
食事中のタイミングだけではなく、一日の始まりである朝食に菊芋を食べると一日の血糖値の上昇が抑えられるようです。
食事の最初、または可能であれば朝食に菊芋を食べましょう。
継続して食べる
菊芋は一度にたくさん食べてしまうと、下痢や腹痛などの症状が出る場合があります。
また、栄養もたくさん食べた分すべてを吸収してくれるわけではありません。
一度にたくさん食べるのではなく、1日20g〜30gの小量をできるだけ継続して食べましょう。
小量でも継続する方が下痢や腹痛などの症状が出にくく、より効果を得られやすくなります。
まとめ
今回は、菊芋の概要や含まれている栄養素、摂取することで期待できる健康効果、より効果的な食べ方などをご紹介しました。
菊芋は低糖質であり、イヌリンやミネラルなど豊富な栄養素が含まれています。
そのため、糖尿病や大腸がんの予防など健康な体づくりが可能です。
しかし、一度に大量に食べ過ぎてしまうと、下痢や腹痛、アレルギー症状が出る可能性があります。
菊芋は食事の最初に20g〜30g程度を毎日継続して取るようにしましょう。
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