ショートニングの代用品とは?料理に合わせた代用品を選択

ショートニングの代用品とは?料理に合わせた代用品を選択

料理にショートニングを使用したいと思っても、常にショートニングが常備されている家庭は少ないのではないでしょうか?
 
また、ショートニングに含まれているトランス脂肪酸が体によくないと言われているため、できるだけ摂取したくない方も多いかもしれません。
 
本記事では、ショートニングの代用品の中で、どんな料理であればどんな代用品が合うのか、くわしくご紹介します。
 
料理と代用品の組み合わせによっては、思わぬ失敗をする可能性もあるので注意してください。
 

ショートニングとは


 
まずはショートニングについて知っておきましょう。ショートニングはもともとラードの代用品として作られた食用油脂です。
動物油と植物油から作られており無味無臭で癖がなく、常温で白いクリーム状をしています。
 
ショートニングのメリットは多く、主に以下の4つです。
・パンの完成がふっくらとなる
・無味無臭のため素材の香りが生かせる
・焼き菓子に使うとサクサクとした食感になる
・揚げ油に使えばからっとした食感になる
 
一方、ショートニングのデメリットは以下の通りです。
・トランス脂肪酸が含まれており体によくない可能性がある
 
メリットが多くても、体によくない可能性があると言われてしまえば使用を戸惑う方もいるでしょう。
なぜトランス脂肪酸は体によくない可能性があると言われているのか、ショートニングの原料や成分に関して詳しく解説します。
 

トランス脂肪酸が体によくない可能性がある理由とは

ショートニングにはトランス脂肪酸が多く含まれており、ショートニングが体によくない可能性があると言われる原因がこのトランス脂肪酸です。
 
トランス脂肪酸は自然界には存在しない配置を持っている人工物です。
トランス脂肪酸には善玉コレステロールを減少し、悪玉コレステロールを増加させる作用があります。善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増えると以下の病気のリスクが上がります。
・糖尿病
・高血圧
・心筋梗塞
・脳梗塞
・うつ病
・精神不安 など
 
WHO(世界保健機関)とFAO(食糧農業機関)は2003年に「トランス脂肪酸の摂取は最大でも1日の総エネルギーの1%」にすべきと発表しています。
 
すでにアメリカやヨーロッパでは規制が進んでいますが、日本では規制がありません。
 
その理由として、各国との食生活の違いが大きく関係しています。WHOなどは1日の総エネルギーの1%と定めていますが、日本人の基本的な食事であれば1%を下回っているため規制を行っていません。
 

原料と成分

ショートニングは主に植物性油(大豆や菜種など)と動物性油(クジラや魚など)でできています。
これらの油は液体である場合が多いですが、乳化剤やガスなどを混ぜ込み、白いクリーム状の油にしています。
 
ショートニングに含まれている成分は以下の通りです。
・脂肪酸
・飽和脂肪酸
・不飽和脂肪酸(オレイン酸・リノール酸・αリノール酸)
・ビタミン(E・K・パントテン酸・コリン)
・ミネラル(ナトリウム・カルシウム・鉄)
・トランス脂肪酸
 
ちなみに、ショートニングのカロリーは100gあたり884kcalです。
油なので高カロリーなのは当然ですが、過剰な摂取は危険だとうかがえます。
 

ショートニングの代用品とそれに合った料理


 
ショートニングを常備している家庭は少ないでしょう。トランス脂肪酸が含まれているため、使用を避けたい方も多いはずです。そんなときは、ショートニングの代用品を使用しましょう。
 
とはいえ、料理によっては代用品が味を損ねてしまうケースもあります。そこで、料理別にみたショートニングの代用品を紹介します。
 
ここでは、代用品としてマーガリンも紹介しています。ただ、マーガリンにはショートニング同様にトランス脂肪酸が含まれています。
 
そのため、ショートニングを使用しない理由として、トランス脂肪酸を気にしている場合はマーガリンの使用も避けてください。
 

パンやピザ生地の代用品にはバターやマーガリン、オリーブオイル

パンやピザ生地を作るときは、バターやマーガリン、オリーブオイルを代用するのがおすすめです。
ただし、どんなパンやピザ生地を作るのかによってバターやマーガリン、オリーブオイルのどれを使うか変わります。
・パンを作る⇒バター
・ふんわりと軽い食感のパンを作る⇒マーガリン
・もちもちとしたパンを作るパンやピザ生地を作る⇒オリーブオイル
・素材の味を楽しみたい⇒マーガリン
 
バターやオリーブオイルには独特の味や風味が存在します。もちろん味や風味を生かしたものもありますが、フィリングを楽しんだり素材の味を楽しみたい場合は邪魔になるかもしれません。
 
そういった時には、味や風味が少ないマーガリンを使用するとよいでしょう。一方、全粒粉やライ麦の風味を生かしたい場合はオリーブオイルを使用すると風味が一層引き立ちます。
 

お菓子の代用品にはラードやバター、マーガリン

お菓子を作るのに最適な代用品がラードやバター、マーガリンです。お菓子の場合、どのような食感にしたいのかによって、選ぶ代用品が変わります。
・焼き菓子のようなサクサクとした食感を出したい⇒ラード
・ケーキのようなふんわりとした食感を出したい⇒バターやマーガリン
 
お菓子作りの場合、膨らませるために空気を含ませる作業を行います。その際には液体油よりも、ラードやバターなどのようなクリーム状のものがいいでしょう。
 
もちろん作るお菓子によっては、液体油を使う場合もあります。ただ、その際は風味の少ないサラダ油や菜種油などがいいでしょう。オリーブオイルやごま油などは風味が強いため、代用品としては不向きです。
 

揚げ物の代用品にはラード

揚げ物を作る場合におすすめの代用品がラードです。ラードを使用するときは、揚げ油のすべてにラードを使用するのではなくサラダ油などの揚げ油に少しだけ入れておきましょう。
 
サラダ油をいれるだけで、ざくざくとした食感になり冷めても食感が損なわれにくくなります。
また、ドーナツを揚げる際にも同様にラードを少し入れると外側がサクサクとしたドーナツに仕上がります。
 

ショートニングの代用品には向かないもの


 
油系の中には、代用に向かないものもあります。油系であればなんでもショートニングの代用になるわけではないと覚えておきましょう。
本章では、特に代用品に向かないものを2つ紹介します。
 

独特な風味が強過ぎるごま油

サラダ油やオリーブオイルと似た液体油でも、ごま油をショートニングの代用品として使用するのにはおすすめしません。
ごま油は少量でも独特な香りが強いため、お菓子やパン作りに使用するとゴマの香りが非常に強いものが完成してしまいます。
 
ただ、ごま油の中でも「太白ごま油」であれば、代用品として使用できます。
太白ごま油は、生のごまを絞って作ったごま油で、独特の色や香りが抑えられたものです。
太白ごま油は、ごまの栄養価などは残しつつ癖がないため、オリーブオイルやサラダ油などと同様にパンやお菓子などの代用品として使用できます。
 

見た目が似ている牛脂

ショートニングと見た目が似ている牛脂ですが、代用品には向きません。なぜなら、牛脂は常温では硬くクリーム状にするのはかなり難しいからです。
 
また、加熱すると焼き肉をしているような独特な匂いがします。何かを焼いたり、炒めたりする際にショートニングの代用品として使う分には問題ありません。
 
しかし、パンやお菓子に使うと独特な匂いがついてしまうため、代用品としては避けた方がよいでしょう。
 

代用品には合う合わないが存在する

ショートニングの代用品にはさまざまなものがあります。しかし、なかにはショートニングの代用品には向かない油もあるので要注意です。
 
どんな料理に使うのか、どんな食感にしたいのかに合わせて選ぶとよいでしょう。
 
ショートニングの代用に何を使えばよいか迷った時は本記事を参考にしてみてください。

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