健康食品とは?利用する注意点や体によい食べ物をご紹介

「健康食品」といった言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、実際に健康食品とはどういった食品を指すのか、何か決まり等はあるのかなど知らない部分が多いと思います。
そこで今回は、健康食品とはどんなものを指すのか、健康によい食べ物や注意すべき点などを紹介します。
健康面が気になる方、食べ物から健康を考えている方は必見です。ぜひチェックしてみてください。
健康食品とは?
そもそも健康食品とはどんなものなのでしょうか。
健康食品とは、医薬品以外で口から摂取される「健康によいものや役にたつもの」として売られている食品すべてです。
含まれている栄養素の種類や量など、法律的な定義は特にありません。
保健機能食品制度とは?
健康食品のなかでも、国が設定した安全性や有効性の基準を満たしたものは「保健機能食品」と名乗れます。
保健機能食品制度の目的は、消費者が安心して食品を選べるように適切な情報提供をする点です。
保健機能食品はさらに3つに分かれています。
●特定保健用食品
●栄養機能食品
●機能性表示食品
特定保健用食品は、保健効能成分(関与成分)を含んだ食品です。関与成分の摂取により「お腹の調子を整える」「コレステロールが高めの方に」など特定の保健の目的が期待できる旨の表示ができます。
栄養機能食品は、特定の栄養素を補うもので、医学・栄養学的に確立した機能を表示できる食品です。
たとえば「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。」などと謳うことができます。
機能性表示食品は、科学的根拠に基づいた機能性が表示された食品です。安全性・機能性に関する資料を消費者庁へ届ける必要がありますが、国による審査はありません。
特定保健用食品と同様に「体脂肪を減らす」「血糖値の上昇を抑える」などと謳うことが可能です。
健康的食品に欠かせない栄養素とは?
健康的食品に欠かせない栄養素はいくつかありますが、大きく3つの分類に分けられます。
●五大栄養素
●三色食品群
●6つの基礎食品群
それぞれどのような栄養素や食品が含まれているのか、ご紹介します。
五大栄養素
五大栄養素とは、食品に含まれる栄養素を働きごとに分けたものです。
5つの栄養素と役割、代表的な食品を表にしてご紹介します。
五大栄養素 | 主な役割と働き | 代表的な食品 |
---|---|---|
炭水化物 | ・エネルギーのもとになる | 米・パン・トウモロコシ・イモ類など |
脂質 | ・エネルギーのもとになる | バター・油・マヨネーズなど |
タンパク質 | ・エネルギーのもとになる ・からだを作る |
肉・魚・卵・豆腐など |
ビタミン | ・からだの調子を整える | 人参・ブロッコリー・りんごなど |
ミネラル | ・からだを作る ・からだの調子を整える |
牛乳・海藻類・納豆など |
バランスのよい食事とは、これらの五大栄養素をバランスよく摂取する食事を指します。どれか1つでも欠けてしまうと私たちの健康は保てなくなります。
三色食品群
三色食品群とは、食品の持つ栄養素の働きによって3つのグループに色分けしたものです。
先ほどご紹介した、五大栄養素は食品に含まれている代表的な栄養素を指し、三色食品群は栄養素の働きを中心に分類したものです。
3色で分かりやすく分類されているのが、三色食品群の特徴になります。
●赤:からだを作る
●緑:からだの調子を整える
●黄:エネルギーのもとになる
3つの色で分かりやすく分類されるため、子ども向けの本や学校給食の献立などに多く使われています。
五大栄養素同様に、バランスのよい食事とは三色食品群が欠けていない食事を指します。
6つの基礎食品群
6つの基礎食品群とは、食品に含まれている栄養素の働きや役割を三色食品群よりも詳細に分けたものです。
基礎食品群 | 栄養素の働きと役割 | 代表的な食品 |
---|---|---|
1群 | ・骨や筋肉のもとになる ・エネルギーのもとになる |
肉・魚・大豆製品など |
2群 | ・骨や歯のもとになる ・身体機能の調節 |
海藻類・乳製品など |
3群 | ・皮膚や粘膜の保護 ・身体機能の調節 |
緑黄色野菜全般 |
4群 | ・身体機能の調節 | 淡色野菜・果物など |
5群 | ・エネルギーのもとになる ・身体機能の調節 |
米・パン・イモ類など |
6群 | ・エネルギーのもとになる ・必須脂肪酸の供給源 |
脂肪を多く含んだもの |
バランスのよい食事を作る際には、それぞれの食品群から1〜2品ずつ食べるようにするのがよいでしょう。
ただ、多くの方は5群の米やパンばかり食べているなど、食事に偏りがある場合が多いです。この機会に一度自分の食事を見直してみましょう。
健康食品を利用する際の注意点
健康食品を食事に取り入れる際にはさまざまな注意点があります。健康食品を生活に取り入れるのであれば、ここでご紹介する5つの注意点は知っておきましょう。
1. 広告やチラシは冷静に
健康食品を選ぶ際に、チラシやWeb広告などを参考にする方が多いかもしれません。しかし、健康食品を販売している会社の中には効果を過剰に宣伝しているものも多いです。
利用者の体験談なども掲載されていますが、体験談を鵜呑みにするのではなく、冷静に類似商品と見比べ安全性や有効性が信用できるものなのかなどを調べましょう。
2. 過信はしない
健康食品は、薬や医薬品ではないため過信はしないようにしましょう。1つの栄養素を過剰に摂取しすぎると過剰症になる可能性もあります。
最も健康によいのは、バランスのよい食事を規則的に食べることです。健康食品を過信せず、あくまでも日々の食事の補助として考えてください。
3. 個人輸入
健康食品の中には、日本での販売がなく海外から個人輸入で購入する食品もあります。ただ、日本と海外では医薬品と食品の範囲の違いや摂取してもいい成分の種類や量の決まりが違います。
日本企業などが販売している海外製品は、日本の規則に則ったものかチェックしたうえで販売されていますが、個人輸入であれば自分でこのチェックが必要です。
4. 体質に合わないこともある
野菜などの食品でもアレルギーで体調不良になる方がいます。健康食品も同様に、物によっては体質に合わない場合があります。体調不良などを感じた場合はすぐに利用を止めて、医療機関への受診が必要です。
5. 気になったことは専門家へ相談を
健康食品に含まれている成分によっては、現在服用している薬との相性が悪く、薬の効果が弱くなったり、悪影響が出たりする可能性があります。健康食品には薬や医薬品ではないため治療効果などはありません。
健康食品を販売している会社の中には、誤解を与えたり効果が過剰に書かれていたりするものがあります。気になったことは保健福祉事務所などに相談してみましょう。
健康によい食べ物とは?
健康になるためには健康食品だけに頼るのではなく、日々の食事も重要です。
ここでは、健康によい食べ物をいくつかご紹介するので知っておきましょう。
免疫力を高める効果を持つ食べ物一例
病気もなく、健康な生活を送るためには免疫力を高めるのが重要です。免疫力が低下すると病気にかかりやすくなるだけではなく、病気が悪化するリスクもあります。
●胚芽米や玄米
●海藻類
●キノコ類
●煮干しなどの小魚類
●発酵食品(納豆・ぬか漬けヨーグルトなど)
●緑黄色野菜(ブロッコリー・人参など)
●豆類
●果物類
免疫力を上げたいのであれば上記のような食べ物を中心に食事に取り入れるとよいでしょう。
腸内環境を整えてくれる食べ物一例
免疫力を高めるにも共通する部分はありますが、免疫細胞の7割程度が腸に住んでいます。そのため腸内環境を整えると免疫力を高めたり、太りにくくなったりします。
●チーズやヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌
●便通を整える食物繊維
●ビフィズス菌を増やすために必要なオリゴ糖
乳酸菌などの善玉菌を摂取することをプロバイオティクス、食物繊維やオリゴ糖などの善玉菌などが好むものを摂取することをシンバイオティクスと呼びます。これらは、どちらか一方だけでは不十分です。
善玉菌を摂取し、善玉菌が好むものを摂取して育てる点を意識しましょう。
血流を良くしてくれる食べ物
血液には酸素や栄養素を全身に運ぶなどさまざまな役割を持っています。この血液がどろどろになってしまうと詰まったり、動脈硬化の原因になったりする可能性があります。
●クエン酸:酢・柑橘類など
●EPA:イワシ・サバなどの青魚
●ポリフェノール類:赤ワイン・緑茶など
●アルギン酸:昆布・わかめなど
●ビタミンE:かぼちゃ・アスパラガス・春菊など
●ビタミンC:果物類・ピーマンなど
「主食が肉ばかり」や「お菓子が多い」などは血液をどろどろにしてしまう習慣です。たしかに食べすぎは避けるべきですが、お肉やお菓子は体に悪いわけではありません。「食べない」ではなく栄養や食事バランスを取るようにしましょう。
無添加食品の選び方についてはこちら
無添加食品とは、以下の3つの食品を指します。
●ある添加物を使わずほかの添加物を代用している食品
●添加物を全く使用していない食品
●食品表示が免除されている食品
「無添加食品」といえば、添加物をまったく使わないと思いがちですが、そうではない場合もあります。
無添加食品の選び方には以下の3つがあります。
●食品表示を確認する
●生産元がわかる食品を選ぶ
●無添加食品購入サイトを利用する
無添加食品を選びたい方はこちらを参考にしてください。
健康食品と勘違いしている食べ物3選
スーパーなどに販売されている食品の中には、私たちが健康食品だと勘違いしている食べ物があります。
健康食品を購入したいのであれば、これからご紹介するものを食べてはいけないわけではありませんが、健康食品ではないので注意してください。
低カロリーのマヨネーズ
低カロリーマヨネーズは、一般的なマヨネーズと比べてカロリーや脂質自体は低いです。しかし、マヨネーズの風味などを加えるために添加物などを多く使用している場合があります。使用している添加物によっては炭水化物や糖質が増えてしまいます。
フレーバー付きのヨーグルト
ヨーグルトには、カルシウムや乳酸菌などを摂取できるため朝ごはんに食べている方も多いかもしれません。しかし、イチゴやブルーベリーなどのフレーバー付きヨーグルトは砂糖が多く含まれているためカロリーが高くなっています。
フレーバーヨーグルトにしたいのであれば、プレーンヨーグルトにシナモンをかけたり新鮮な果物を加えたりしてみましょう。
無脂肪のサラダドレッシング
無脂肪と聞けば、健康によいと思われがちですが脂質を省いた分、脂質の風味を補うため塩や砂糖などを増やす場合が多いです。そうなると塩分・糖分過多になってしまうかもしれません。
無脂肪は必ずしも健康食品であるとは限りません。
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健康食品だけに頼るのは注意
健康食品といっても明確な定義はありません。中には体調に合わず逆に体調を崩してしまう食品もあります。最も健康的な食事は栄養バランス良く食事を取ることです。
どんなに健康によいと言われる食品でも、1つの健康食品だけを食べ続けるのは健康を損なう部分に繋がります。健康であり続けるためにも、健康食品は日々の食事の補助として取り入れるようにしてください。
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